水 色 の と き − 前 編 − |
「なあ、ユウナぁ。もういい加減、機嫌直してさぁ。」 「………。知りませんっ!」 南国の明るい日差しの照りつける、ここはビサイド村。 その中にある質素な家の一つから、その声は聞こえてくる。 それは、新婚のティーダとユウナが暮らすスウィートホーム……のはずなのだが……。 朝っぱらから、ユウナの機嫌を取ろうとするティーダと、それを冷たくあしらうユウナの姿。 しつこくまとわりつくティーダをまるで無視するように、ユウナは済ませたばかりの洗濯物を入れた籠を持って、外に干しに出かける。そのつれない仕草に、ティーダはまたもや玉砕してしまったかとうなだれる。 「あ〜あ〜。だって、あの時は仕方なかっただろ? 俺にどうしろって言うんだよっ。」 話す相手がその場にいなくなっても、こういう状況ではつい愚痴りたくもなるというもので…。 話は数日前へとさかのぼる…。
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○あとがき○ |