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〜 FF NOVEL <FFVIII> 〜
by テオ





ガーデンのうららかな日々





ある昼下がり。
ガーデンのパーラーにて。
うららかな陽射しの中、一人、くつろいでいるスコール。
最近お気に入りのハーブティーはカモミール。
陽だまりの香りを楽しみながらのティータイム。


そこへやって来たのは、リノア。
「スコール、ちょっと、いい?」
席は空いているのに座りもせず、何か心配顔だ。
―――――リノア、どうしたんだろう
「ん」
「ねえ、ほんとにいいの?」
―――――何が?
「ん?」
「今度の新入生歓迎パーティーのこと!」
―――――ああ、そういえばそういうのがあったな
「ああ」
「ほんとにやる気?」
―――――そんなことか
「ああ」
リノアはホーっとため息をついた。
「スコールがその気になってるんなら、いいわ」
リノアはなんだか複雑な顔をして、そのまま行ってしまった。
―――――? リノア、いったい何を言いたかったんだ?

スコールは首を傾げながら一口、カモミールを飲んだ。
そして、今のことを忘れた。


そこへやって来たのは、セルフィ。
「あー、いたいた。スコール!」
―――――また、うるさいのが来たな
セルフィはパタパタとスコールの後ろに回って肩を叩く。
「ねえねえ、ちょっと立ってよ」
―――――なんなんだ?
「え?」
「ほらほら、さっさと立つ〜!」
何だかわからないまま、立たされたスコール。
セルフィはスコールの背後で腕や腰のあたりをゴソゴソ。
―――――何?
「あ・・・」
「はいっ!動かないっ!」
条件反射で直立不動のスコール。
―――――・・・・・
「・・・・」
「よしっ!もう、いいよー。じゃーねー」
そのまま、慌ただしく去っていくセルフィ。
―――――何なんだ?いったい・・

スコールは首を傾げながら一口、カモミールを飲んだ。
そして、今のことを忘れた。


そこへやって来たのは、ゼル。
「よっ!ご苦労さんっ」
―――――何が
「・・・・」
「ガーデン中、噂で持ちきりだぜぇ〜」
―――――だから、何が
「な・・・」
「俺もすっげー楽しみにしてっから〜」
―――――だ・か・ら、何を?
「おい」
「ま、頑張れや。じゃっ!」
言いたいことだけ言うと、さっさとゼルは行ってしまった。
―――――・・・・・おい(怒)

スコールは首を傾げながら一口、カモミールを飲んだ。
そして、今のことを忘れた。


そこへやって来たのは、キスティス。
「あら!スコール。ここにいたの?」
―――――いて、悪いのか?
「ああ」
「探したのよー。ガーデン中」
―――――何で?
「ん?」
「ほんとは私がスコールとやりたかったんだけどね」
―――――何を?
「は?」
「でも、やっぱり私じゃダメね。きっと」
―――――だから、何を?
「だ・・・」
「応援してるから。それだけ言いたかったの」
パチンとウィンクを残してキスティスは行ってしまった。
―――――なんだか、疲れてきた・・・


スコールは首を傾げながら一口、カモミールを飲んだ。
そして、今のことを忘れた。


そこへやって来たのはアーヴァイン。
「やあ!スコール!」
―――――・・・。不必要に大声出すなよ
「ああ!」(不機嫌)
「いや〜。パーティーが待ち遠しいねぇ〜!ねっ!」
―――――・・・。別に。
「ふん」
「ああ、つれないなぁ。僕と君の仲だというのに〜」
―――――何が『仲』だ!
「・・・」(無視)
「ほんとは僕は君と交代したかったんだけどね」
―――――交代?何のことだ?
「そ・・・」
「でも僕の子猫ちゃんたちを失望させる訳にはいかないからねぇ〜」
―――――子猫ちゃんだぁ?勝手に言ってろ!
「ふっ」(鼻で笑う)
「あ!今、笑ったな!鼻で!よ〜し、見てろよ〜!」
プリプリしながらアーヴァインは行ってしまった。
―――――結局、あいつ何しに来たんだ?


スコールは首を傾げながら一口、カモミールを飲んだ。
そして、今のことを忘れた。


ハーブティーは、すっかり冷め切っていた。
―――――う、まずい・・・




魔法を使うせいなのか、カモミールのあまりありがたくない効用のせいなのか。
その日の出来事をすっかり忘れ去ったスコールは後日、ものすごく後悔することになる。




新入生歓迎パーティーの日。


みんなの一番の期待は、在校生の出し物。
新入生歓迎仮装ダンス「美女と野獣」。
<配役>
 野 獣 : アーヴァイン
 美 女 : スコール


セルフィ製作のみごとなドレス姿のスコールは
その後、ガーデンの伝説となった・・・・。


【END】




<テーマノベル>として「一緒にTALK」に投稿した作品です。このテーマから他の作家さんたちが
続々参加して下さいました。記念すべき作品です。管理人はこれがFF[初書きだったりします。(笑)
繰り返しの表現を試してみた実験作品でもあります。この時期はまだ試行錯誤中でしたね。(苦笑)

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