<テーマノベル> 神羅な人々【FF7】 〜北条博士のひそかな楽しみ〜 |
うん?誰だね、君は。 そうか、私の研究をぜひ見学したい、と。 いいだろう。いつもなら断るところなんだが、今日は機嫌がいいんでね。 だが、私の研究の邪魔だけはしないでくれたまえよ? それから、ここで見たことは絶対に他言無用だ。 約束できるかね? もし、できないと言うのなら・・・・・。 よろしい。 じゃあ、その辺で見てるといい。 ちょうどこれからある実験のためのオペをするところだ。 オペ? ああ、私は医者でもあるからな。 ついそういう呼び方をしてしまうんだ。 まあ、気にするな。 ふん、今日の被検体は3体か。 だんだん、少なくなってきたな。 それも無理もないか。 実験後、そのほとんどがいなくなってしまうからな。 そういう行動に出るよう、インプットしているんだから当たり前なんだが。 さすがの神羅も、被検体の関係者からの苦情を抑えきれなくなってきているようだ。 まあ、いい。 さて、始めるとするか。 ふむ、これはまだ子供か・・・。 子供は成功率が低いんだが・・。 前回は、すぐに正体が分からなくなってダメになったからな。 今度は違う薬品を使ってみるか。 ああ、お前、そうお前だ。 貴重な実験を見せてやってるんだから、少しは協力しろ。 そこの棚の中から、白い小瓶を取ってくれ。 そう、それだ。 これをこの中に入れて、と・・。 何? その小瓶の中身は何か、だと? そんなことも知らんのか? 塩に決まってるだろう。塩に。 味が足りない時は、塩をたすに限る。 他の余計なものより、よほど役にたつぞ。 そして、この薬品をこうして身体の中の注入して・・。 それから頭のこの部分を・・・・。 よし、これは終わりだ。 おい、これをそっちに運ぶのを手伝ってくれ。 なんだと? 他にアシスタントはいないのか、だと? そんなことか。 もちろんアシスタントは、いるには居る。 が、今日のこの実験は多分に私の研究者としての分野でやっているからな。 上層部へは秘密なのだ。 会社が付けたアシスタントなど使う訳にはいかないだろう。 次は女性か。だいぶ歳がいってるな。 ふむ。 よし、では今まで使ったことのない物を使ってみるか。 アレは、うーん、あ、あったあった。 で、これをブニュ〜っと。 なんだ? まったく、騒がしいな。 これが何だと言うんだ? ケチャップだろう。 そうだ、これでいいんだ。 何か問題でもあるのか? うん、そうだろう、そうだろう。 よし、こいつも終わりだ。 運ぶぞ、手伝え。 おい、そんなに震えているとうまく運べないじゃないか。 しっかり持て。 さあ、最後だな。 お、これは兵士だな。 しかも男か。 この髪の尖り具合もいい。 ふーむ、なかなか実験しがいがありそうだ。 よしっ!決めたぞ。 これにはとっておきのを使うとしよう。 あーっと、あれは確か、冷蔵庫の中だったな。 あった、あった。 ん? また、おまえか。 これが何かを聞きたいんだな? 見て分かるだろう。 わさび、だ。 あん? おい、おまえ。 みっともないから、その開きっぱなしの口を閉じろ。 ふっふっふ。 入れてやったぞ。 これをこうして、と。 おお、今回のはきっと今までにない変化を見せてくれることだろう。 お前も期待していいぞ。 ふん? なんだ? 気分が悪いだと? 実験の結果を見たくはないのか? 早い物だと今夜くらいから現われ始めるのもいるというのに。 なぁ〜に、ちょっと食事でもしていればすぐだ。 スシでもとってやろうか? わさびたっぷりのうまい店を知ってるぞ。 それでも、もういい、だと? もったいないことを言うやつだな。 せっかくこの私が、偉大な実験の成果を見せてやろうと言ってるのに。 まあ、顔色も悪いようだし、いいだろう。 ただし、さっきも言ったように、ここでのことは・・・。 分かっているようだな。 はっはっは、実験がうまくいって今日の私は、さらに機嫌がいいようだ。 そうだ。 今度、君を招待してあげよう。 光栄に思いたまえ。 近いうちにまた来るといい。 待っているよ。 このベッドの上を空けて、ね。 |