RAINY SOUL
・・・あ・・め・・・ 雨。ああ、雨か。 これは雨だ。そ・う・だ。 今?今は、いつだ?・・・わからない・・。 オレ、俺は誰だ? わ・か・ら・な・い。 そういえば、あの時も雨が降っていた。 追われて、そう、追われていたんだ。俺たちは。 誰に?俺たち? 俺と、誰だった? だめだ。思い出せない。とても大事なことだったのに。 | |
『サンプル』 覚えているのは、それだけだ。 毎日のようにそう呼ばれていた・・・。 サンプル、いやな言葉だ。 名前?いや、違う。そうじゃない。 暗い・・・。 ずっと暗いところにいた・・・。 わずかな光と薬品の匂い。 ・・でも、一人じゃなかった。一人じゃない? そう、いつも声をかけてくれる奴が、いた。 誰だった? 黒い、シルエット。 黒い髪と、力強い声。 しっかりしろと、がんばるんだと励ましてくれた。 ア・レ・ハ・ダ・レ・ダ? オ・レ・ハ、・・ダ・レ・ダ? 背中が重い。剣? 大剣だ。 これは、俺のか? いや、あのソルジャーが持っていた・・・。 ソルジャー、ソ・ル・ジャ。オ・レ・ソ・ル・ジャ・・ナ・ル。 そう、ソルジャー、ソルジャーだ。オレはソルジャー。 ソルジャーになっての初任務。セフィロスとの。 最強のソルジャー・セフィロス。 セ・フィ・ロ・ス? うぁ、な、なんだ?頭が、からだがしびれる。 「ねぇ。大丈夫?」 ・・誰だ? 「どうしたの?」 なんて言ってる? 「!!! クラウド?クラウドなの?」 目の前にいるのに、ぼやけてよく見えない。 「クラウドっ!クラウドでしょ?」 誰だ、これは。なんだか懐かしい声・・・。 「ぅ、ク、ク・ラ・ウ・ド。」 ク・ラ・ウ・ド?誰が、クラウド・・・。 「オ・レ、ク・ラ・ウド。ぅ、うう、うわあぁぁぁ〜〜〜!」 アタマがイタイ。痛い。誰か止めてくれ。 痛い。苦しい。 逃げるんだ。寄るな。俺に近寄るなっ。 俺は、帰るんだ、・・・ファのところへ・・。 「グ、グァァ・・、う、あ、ティ、ティ・・ファ・・。」 途端に嬉しそうな声が返ってきた。 「そうっ!そうよっ!ティファよ。ほんとにクラウドなのね。」 ティ、ファ、ティファ。思い出した。 俺はティファのところに、ふるさとに帰ろうとしていたんだ、あの頃の。 ティファか?これが? そういえば、昔のおもかげがある。 人懐っこそうなまなざし、きれいな黒髪。 黒髪・・。何だった?何かがひっかかる。 大事なこと・・・。 まあ、いい。 もう、そんなことはどうでもいい。 俺は、クラウド。クラウド・ストライフ。 神羅のソルジャー、いや、元・ソルジャーだ。 俺は、もう自由なんだ。 他のことなんか、関係ないね。 |