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〜 FF NOVEL <FFX> 〜
by テオ


マカラーニャにて





身体が、自然に動いていたんだ…

君の、涙にぬれた顔を見ていたら
突き上げるような衝動とともに
腕が、君を抱き寄せていた

そして、震えるくちびるを……求めていた


それまでは、俺、これが恋だなんて自覚はなかった
ただ、守りたい人
そういう気持ちで君を見ていた

それが、愛しい人に変わったのは

そう、あのマカラーニャの泉から…

恋、なんて、俺、よくわかんなかったからさ
似たような感情は、そりゃ、今までだって何度かあった
だけど、あんなに……なんつーか……たまらなくってさ
考えるより先に身体が動いてた、なんて
ブリッツ以外じゃ初めてだった

泉の中に二人で沈んだ時
君は笑ってくれてた
……嬉しくってさ
本当に嬉しくて…
君のその笑顔のためなら何だってやってやる
そんなこと、考えてた
いつもはうざったい幻光虫たちも
まるで、君を彩る宝玉のようにキラキラと輝いて…


 綺麗だった、ユウナ







びっくりしたんだよ?

本当にびっくりしたんだ…
それまで、止めたくても全然止まってくれない涙が
一瞬で蒸発してしまうくらいに…

でもね
嫌じゃなかった…


突然、目の前が君でいっぱいになって
くちびるに、君が、やさしく、触れた…
あたたかい、まるで、君のこころが伝わってくるような…

くちびるからね
からだ全体に、君のきもちが溢れてきたんだよ…
泉の中に沈んだこともわからないくらいに
君の想いに、包まれていたんだ

あんなにしあわせなことって…
初めてだった……

初めて出会った時から、気になってた
恋なんて知らずに終わってしまうことも覚悟してた
でも、君に出会って
君が…
ときめきをくれたんだ
君を見つめるたびに、胸に広がる
甘酸っぱくてしめつけられるような
初めての……気持ち……これが、恋?

いつも悲しみと一緒にいた幻光虫たちがね
あの時だけは、楽しげに見えた
きっと、わたしのきもちに応えてたの、かな
夜の泉をまぶしいほどに照らしてた、君の笑顔


 大好きだよ、ティーダ







    ふたり 永遠なれ と 願った 時






○あとがき○
今作は、読んでいただければおわかりかと思いますが、あの有名なFFXのCMでも使われていたマカラーニャの泉のシーンです。
あの時、二人がどんなことを思っていたのか、というリクエストを貰っていたので、書かせていただきました。(リクエストして下さったKEIさんに進呈〜♪)
しかし、「今、FFX−2の連載書いてるから、当分は書けないよ」と言ってたのに・・・。
急に書きたくなってしまったんですねぇ。(やはりティーダ欠乏症か?)
では、楽しんでいただけると幸いです。



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