フォルテシモ(ff)学園は今日も大騒ぎ!2
前回のお話。 ここはff学園。通称フォルテシモ学園。(いつも騒々しいから) 転校初日のティーダ君はビビとかくれんぼしていたエーコとぶつかってしまう。 その時現れたのはユウナ・ルールー・リュックの10区スピラの生徒会執行部。 ユウナに他区との行き来を禁じられていることを諭されたエーコがティーダにどいてもらおうとして、不可抗力のつまらないダジャレ(全然そのつもりはなかったのだが、取りようによっては18禁)を言ったティーダにみんなの必殺技が炸裂! が、遅れてやってきたビビの魔法のため、その場にいたみんなも吹っ飛んでしまった。 から、続きます。 悲劇の起こった場所には大きな穴が空いていた。 そこへ遅れてやってきた、ティーダ君を案内するはずの担当教官アーロン(35歳・独身、嫁さん募集ちゅう) 転校生が待っているはずの案内板の所には、肝心の転校生どころか案内板もなく、大きな穴ぼこがあった。 アーロン先生、それを見て、 「誰だ。こんなところに落とし穴なんか掘った奴は」 と隕石落下ほどもあるような穴を落とし穴呼ばわりだ。 そこへ、ヒューっと落っこちてきたティーダ君。 どうも真上にすっ飛ばされていたらしい。 そしてアーロン先生の真上に落っこちた。 ドッシーン 地面に叩き付けられるはずが、アーロン先生がクッションになり、無傷のティーダ君。 「はぁ〜。助かったっす〜」 アーロン先生をお尻の下に敷いちゃってることにも気付かずティーダ君、一安心。 「おい!」(怒) 「?」 怒気を含んだその声に、ハテナマーク全開の顔でキョロキョロとあたりを見渡すティーダ君。 「下だっ!」(怒怒怒) 「! おわっ!」 やっと気付いたティーダ君。 ババッと慌てて飛びのいた。 ほんとは内心怒り狂ってるアーロン先生、大人の貫禄見せたくて、何事もなかったかのように立ち上がり。 余裕たっぷりにパタパタと服の埃をはたく。 それを見ていたティーダ君、恐る恐る近づいて、 「あの〜、アーロン先生、ですよね?」 と上目遣いに訊ねたら、謝るのが先だろう、と思いながらもアーロン先生、 「そうだ」 と待ってましたの期待通りのいい返事。 「良かったっす〜。あんまり遅いから俺、忘れられちゃったかと思ったっすよ〜」 心底ほっとした様子のティーダ君。 実はアーロン先生、ほんとにティーダ君のこと忘れて、8区の保健のジュリア先生のところにしけこんでいたのだが、そんなことはおくびにも出す訳はない。 「そんなはずはなかろう」 なんて、しゃあしゃあとのたまった。 でも、そんなこととは露知らずのティーダ君。 「そうっすよねー。」 明るく返事した後、無邪気に尋ねる。 「んでも、なんでこんなに遅かったんすか〜?」 「む、そ、それは・・・。」 まさか、こんなに率直に聞かれるとは思いもしなかったアーロン先生。 しまった、言い訳を考えてなかったぞ。 と、さっきの怒りもすっかり忘れ、必死で頭を巡らせる。 「ま、いいか〜。来てくれたんすから〜」 まったく悪気のないティーダ君。 言い訳作りに必死になっていた自分に気がつき、一気に脱力のアーロン先生。 「さっ、行くっすよ〜。アーロン先生!」 ガックリうなだれているアーロンに気付きもせずに ティーダくんは元気に自分のキャンパスへと歩き始める。 「ちょっ・・・・」 ちょっと待て、と言いかけたものの、さっさと行ってしまったティーダ君の後ろ姿に アーロン先生、さらに気が抜け、しょうがないかと後を追う。 その一部始終を見つめていた瞳、複数。 大きな穴ぼこの外にできていた土盛のヘリから出てきたのは、エーコとビビ。 「あ〜ん。アーロン先生、あいかわらずステキ〜♪渋いわぁ〜」 「エーコちゃん・・・」 はあとマークの瞳うるうるエーコちゃん。 それを呆れ顔(解るのかな?顔・・・)で見ているビビ。 アーロンの姿が見えなくなるまで、たっぷり見送った後、 「さっ、ビビちゃん。あたしをアレクサンドリアの保健室まで連れてってねっ!」 「・・・・・」 あんたのジハードのせいでこんなに傷だらけなのよ、としっかり顔に書いてあるエーコの態度に大きなため息をつきつつも、反抗したら後でどんな目にあうか想像に難くないビビは、よったらこったらエーコをおぶって歩き出す。 そして、また。 そことは穴の反対側の、ジハードにもなんとか無事だった側道の植え込みの中。 スピラ生徒会執行部の面々。 「どうしよう。こんなボロボロじゃ、ここを出ていけない・・」 とっても困り顔のユウナ会長。 そのカリスマ度の高さゆえ、憧れや想いを寄せる生徒は数知れず。 そんな中、ぼろぼろの格好で外を歩くなどもっての外。 しかし、他二名もそれは同じこと。 もともと露出度の高い服をお召しのルールー副会長。 今ではすっかり、は○か同然。 リュック書記長はというと・・・。 ジハードのダメージよりもそのために隠し持っていた手榴弾が連鎖爆発。 三人の中では一番の被害を被っていた。 「い、いい、よ。あ、たし、が、何とか・・・」 傷は一番ひどいものの、見た目はまだ二人よりましの、リュックがよろよろ立ち上がる。(血まみれなんだけど・・) 「でも、その傷じゃあ・・・」 ルールーがそう言いかけたものの、ここはリュックにがんばってもらうしかなく・・・。(おいおい) とにかく二人の服を調達しに植え込みからふらふらと出て行くリュック。 その姿を申し訳なさそうに見送る二人。 「それもこれも、あいつのせいね・・」 それは逆恨みというもの、とは思いもせずにルールーは冷たく目を光らす。 「まあ、それは、そう、なのですが・・・」 なのに何だか歯切れの悪いユウナ会長。 「? どうしたの?ユウナ、何だか変ね」 生徒会というものは、いつもいつも優しい顔ばかりしてもいられない。 皆を導いていくためには、時には断固として処罰を下す冷静さと決断も必要だ。 そしてそれを今まで怠ったことのないユウナであればこそ、 このスピラで絶対の信頼を克ち得てきたのだ。 スピラにおいて生徒会は絶対! その執行部たる私たちをこんな目に会わせるなんて。 ルールーの怒りは、彼女たちの立場からすれば至極当然ともいえる。 いつもならすぐにユウナも同調してきたはずなのに。 実は、ユウナ会長、ティーダ君に一目ぼれ。 初めて出会った理想通りの男の子。 明るい金髪。 な〜んにも悩みのなさそうな、くったくのない笑顔。 スポーツマンらしいその体格も。 エーコをカリスマ言葉で諭している時も、ホントはユウナ、ドッキドキの胸キュン状態だったのだ。 それなのに、あんなこと言うから・・・。 とっさにホーリーを唱えてしまった自分を後悔しつつ、彼の面影が頭から離れないユウナだったのだ。 すっかりルールーのことを忘れ、微笑んだり膨れたり、一人百面相のユウナ。 その様子に、もしやどこかうちどころが悪かったのかと心配を募らせるルールー。 そこへ、息を切らしながら保健委員のシェリンダが着替えを持ってやってきた。 「ユウナさま。大丈夫ですか?」 末端の構成員ではあるが、シェリンダも執行部の一人である。 さすがに保健室に着いた時点でリュックは力つき、今は治療後、爆睡中だと言う。 「あらあら。保健室、壊れてなければいいけど・・」 リュックは、寝相がものすごく悪い。(いったいどんな寝相なんだ・・) その事実を知っているのは、執行部の二人のみ。 それゆえ、シェリンダが保健室へと二人を促すのを断り、着替えが済むとさっさと生徒会室へと向かうユウナとルールーだった。(つ、冷て〜・・・) 様々な思惑が渦巻く、フォルテシモ(ff)学園。 その呼び名の通り、またまた騒々しい日々が訪れそうである。 | |
○あとがき○ |