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〜 デジモンアドベンチャー 〜
by テオ


SYMMETRY(シンメトリー)


【タケル】
今日は、お兄ちゃんのライヴの日だ。
僕もスタッフとして手伝うことになっている。
お兄ちゃんは、チケットやるから友達とでもこっそり
見にこいって言ってくれたけど、僕だって、たまには
お兄ちゃんの役に立ちたい。
だって、以前ほど断絶状態じゃなくなったとはいっても
毎日会える訳じゃないし。
それに僕がたまにお父さんとお兄ちゃんの家に遊びに行くと、
お兄ちゃんはたくさんの手料理でもてなしてくれるでしょ。
『こんな姿、タケル以外には見せられないな。』なんて言いながら、
(でも、この間、なりゆきで誰かの家で料理を作るはめになったらしいけど)
いつも新しいメニューのごちそうを作ってくれるんだよね。
だから、少しでも僕にできることがあるんなら、お兄ちゃんのために何か
してあげたいって、思っていたんだ。
もちろん、僕はまだ小学五年生だから、たいしたことはできないのは、
わかってるんだけどね。
道具運びでも、チケットのモギリでも、場内整理でもいいよ。
あ、でも、場内整理はちょっと大変かな?
『まだまだ、マイナーな中学生バンドだ。』なんて、お兄ちゃんは言うけど、
最近、僕、いろんな女の人にお兄ちゃんのこと聞かれて大変なんだよ。
お兄ちゃんって結構モテるんだから。
でも、まだまだ、お兄ちゃんの一番は僕だもんね。へへっ。
さあ、今日はお兄ちゃんのためにがんばるぞー。


【ヤマト】
今日は、俺のライヴの日だ。
ライヴ自体は、もう何回もこなしてるし、意気込みとか
やる気はもちろんあるけど、特に緊張やプレッシャーがある訳じゃない。
でも、今日はタケルが初めてスタッフとして参加するんだ。
俺はただ見に来いって誘ったのに、タケルの奴、「僕も何か手伝いたい。」
って、真剣な顔で言うもんだから、俺もつい嬉しくて頼んじゃったんだよな。
いや、別にタケルが手伝ってくれること自体が、いやというんじゃない。
アイツ、意外と気が回るし、五年生になって背も伸びてきたから、
力仕事とかもできるだろうし、そこらへんの女どもよりずっと頼りになる。
とは、思う。んだが・・・。
俺たちのバンドのファンだと言ってサインを頼んでくる子たちに、
タケルもよく声をかけられてるみたいなんだよな。
そりゃ、タケルは五年生にしては、大きい方だし、
さすがに俺の弟だけあって、最近なかなかカッコ良くなってきたからな。
・・・、ダメだ、ダメだ。タケルは、まだ小学生なんだ。
そういうのは、まだ全然早いぞ。
それはそうと、タケルは今好きな子とかって、いるんだろうか・・・。
ひょっとして、ヒカリちゃん、とか・・。
まさか、な。
もし、そうなら、太一もだまってないだろうし。
太一もそうとうなシスコンだからな。しょうがないよな、あいつも。
う、あんまり心配してたら、胃が痛くなってきたぞ。
さっさと薬でも飲んどくか。ドタキャンだけは、勘弁だぜ。
タケルにいいとこ見せられなくなっちまう。
そうだ、一足先に会場に行って、みんなにタケルにあんまり
つらい仕事をまわさないように、頼んどこう。
やっぱり、チケットもぎりくらいが適当かな。
あれなら、俺のステージもゆっくりタケルに見てもらえるしな。
うん。そうしよう。それじゃ、行ってくるか。



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