<「南の島に降る雪は」についての出版社からの所見>
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拝啓、時下ますます御清勝のこととお喜び申し上げます。 この度は弊社に原稿を送っていただき誠にありがとうございます。お預かりしました貴重な著書『南の島に降る雪は』を丁重に拝読させていただき、刊行する意義をはじめ、作品の仕上がり具合、読者獲得の可能性などについて慎重に検討させていただきました。まずは弊社の所見をご一読下さい。 ピカレスクものというべき、ある種の「ダーク・ヒーロー」が活躍する作品が多い昨今、本作のように、犯罪者が悲惨な末路をたどるという作品は、なにやら新鮮な印象を受けました。現実的に考えてみれば、犯罪者が賞賛されるということはありません。それ故に小説などに代表されるフィクションの世界では、現実に対する揶揄を含めつつ、アウトローの活躍が描かれるのでしょう。確かに現実にはあり得ないキャラクターたちの活躍は読者の心を掴み、ある種の爽快感さえ抱かせます。これこそピカレスク作品の醍醐味といえ、根強い人気の秘密といえますが、フィクションと現実との区別がつかない人が増えている昨今の社会情勢を見渡すと、このような作品が増えるのも考えものです。このような状況を考えれば、本作に見られるスタイルこそ、世に広めなくてはいけない一冊なのではないでしょうか。結婚詐欺師たる主人公に訪れた結末は、因果応報という言葉通り然るべき結果といえるでしょう。一種の寓話的側面を持った本作のテーマは必ずや読者に伝わり、既存の価値観が持つ正しさを証明してくれます。 前編に示された主人公に対する死亡予告。この予告を起点とし、物語がどのように変化していくのかが本作の見所となり、読者の興味を惹く一番のポイントとなるはずです。いわば、冒頭で最終的な結末を提示しているわけですから、著者ご自身が何らかの理由を提示しない限り、主人公は死ぬことになります。そこで注目されるのが、死ぬまでの過程と死因となる状況などです。本作では、以前に騙した女性から逃れるために、隠れ入った冷凍コンテナに閉じ込められるという展開ですが、これでは余りにもお手軽といえるでしょう。そもそも、どのような使い方をするのか不明なので判断がしづらいのですが、浜辺になぜ冷凍コンテナがあるのでしょう。仮にも撮影に使用するのですから、それなりの管理がされているはずです。これがストーリーに直接関係ないものなら、細かい点が気にならないかも知れません。しかし前述で示した通り本作における最大の見せ場で、ご都合主義的な展開を用いるのは、読者の期待を大きく裏切ってしまいます。同様に大多数の読者が、後編のコンテナが出てきた時点で、主人公の死因を予測してしまうのではないでしょうか。これでは物語としての魅力が半減してしまい、せっかくの作品が台無しになってしまう恐れがあります。話の流れがよどみなく進んできても、肝心な部分がコケてしまっては意味がありません。ぜひとも読み手の想像を越える演出を構築し、作品の更なるレベルアップを目指してください。参考までに一例として上げますと、******************です。冒頭でも***********が、**************いません。そこで*************に、*******という展開も考えられます。少々強引かもしれませんが、この様に一捻り加えることが、作品をより一層面白くするポイントではないでしょうか。 以上が、原稿についての意見をまとめたものになります。 (以下、出版に関しての現状や説明などが書かれていました) |