ラブノート 「ミサミサのライトメモ」
○月△日 ライトとデートvvv(前の夜に服選ぶの忘れないよーに)←これ重要!
今日はライトとデートだぁ〜。 ・・・・・・・竜崎さん付きだけどっ!(ぷん) しかも、家の中だけだもんなぁ。 たまにはライトと遊園地行ったり映画見たりしたいよぉ。 う〜ん、でも肝心のライトが「うん」って言うはずないから、デートできるだけでもいいか。 ゆうべ念入りに選んでおいた今流行りのこの服、ライト気に入ってくれるかなぁ。
あ、きたきた。
「ミサ」
「ライト〜、逢いたかった〜」
飛びついていっても、しっかりと受けとめてくれる。
ああ、やっぱりミサはライトのことが一番好き・・・・。
「こんにちは、ミサさん」
「・・・・・・こんにちは」
んー、もー、せっかくライトといいムードだったのに〜。 竜崎さんってば、いつもいつもタイミング悪過ぎっ。 その鎖も、どうよ。 せっかくのデートが、いつもそのせいで台無しなんだよね。
だけど、ライトがそれでいいって言うんだから・・・くすん、ミサ我慢する。
「ねぇねぇ、ライト、この服どおぉ?」
「うん、可愛いよ」
♪♪♪
やったねっ!
「すごく可愛いですよ、ミサさん」
あんたには聞いてないーーー!
「とにかく、座りましょう」
あんたが言うな、あんたが。 ここはミサの部屋なんだからー。 ……そりゃ、竜崎さんに用意された部屋だけどサ。 それもこれも、竜崎さんがミサを第二のキラと間違えたからじゃないのよ。 でも、これは言えないのよね。 ライトが頼むから。
うふ、ミサはライトのお願いなら、な〜んでも聞いちゃうんだモン。
「それで、竜崎、さっきのヨツバの件だけど…」 「はいはい、夜神くんも気づいていましたか?」 「ああ、それじゃやっぱり竜崎も?」
「ええ、おかしいですよね、あれは…」
うー・・・。 ソファに座った途端に、二人で話し始めちゃうしぃ。
つまんない、つまんない、つまんない、つまんない、つまんないったらつまんないーー。
「ねぇ、ライトぉ」 「ん? なんだ、ミサ?」 「この服ね、ライトに見せたくって選んだんだよー」 「あ、ああ、そうなのか。うん、似合ってるよ」 「ほんとー? ミサ嬉しい〜」 「ああ、本当さ。……竜崎、僕はもう少し幅を広げて調べてみた方がいいと思うんだが」 「そうですね。私も同じことを考えていました」 「株の動きからはもう疑いようがない。だとしたら…」
「取引先や下請けも調べ尽くしましたから、後は……」
むぅ。 またぁ。 なんなのよぉ、この二人はぁ。 今日はミサとのデートのはずでしょー。 邪魔してやる、邪魔してやる。
・・・・・・・・・あ、そーか。
お邪魔虫なのは、竜崎さんのほーじゃん!
だったら、えいっ!
「わっ!」
「ミサさん?」
えっへっへ〜。 ライトと竜崎さんの間に入っちゃえば、話しにくくなるもんねー。
ミサ、あったまいい〜。
ジャラ
「や〜ん、なにぃ、この鎖、じゃま〜」 「おい、ミサ、鎖の上に座るんじゃない」
「そうですよ、ミサさん。そんなところに座ったら引っ張られて…」
やだ、三人ともぴったりくっついちゃった………。 うふっ、ライトと密着〜♪ でも、左の竜崎さん、じゃま…。 ああっ、もうっ!
これじゃ、せっかくのデートなのにライトとラブラブできなぁ〜い!
「ライトっ!」 「あ、ミサさん、立ちあがってくれてちょうど良かったです」 「えっ?」
「時間ですから、ライトくん、そろそろ戻りましょう」
……え?
「そうか、もうそんな時間か」
…………えええ?
「はい、ミサさん、今日は楽しかったです。では、また」 「じゃあ、ミサ。僕はこれで行くから。竜崎、続きは向こうで話そう」
「はい、もう少し詰めて考えてみましょう」
………………ええええええぇぇぇ〜〜〜!!!
なによーーー! ラブラブどころか、ミサ、ほとんどライトとお話しできなかったじゃないっ。 こんなのデートじゃないっ、絶対デートじゃないっ! ・・・・・・・・・だけど、わがまま言ったら、ライト、デートもしてくれなくなりそうだし。 くすん。 ミサ、がんばるモン!(ガッツ)
×月×日 キャンペーン(ライトに逢えない!)
×月×日 キャンペーンと雑誌の取材(また、ライトと逢えない…)
×月×日 グラビア撮影(ライトぉ………逢いたいよぉ)
ミサ、イライラ度、限界値突破寸前っ! 今日で何日、ライトと逢ってないんだろ……。 お仕事以外は、同じ建物の中にいるのにな〜。 ミサは自由に他の場所に行けないんだもん。
マッツーなら行けるのにさ。
「ミサミサ、ほら、次の衣装これだって。早く着替えて」 「ほぁ〜い」 「なんなの、その気の抜けた返事は?」 「だぁってぇ、マッツーだってわかってるでしょー?」 「あ〜、ライトくんか。でも、ミサミサ……」 「はいはい、わかってます。ミサだってプロだもん。お仕事はちゃんとやりますって」
「うんうん、それでこそミサミサだよ」
はっあぁ〜。 わかってはいるんだけどさ〜。 だけど、ミサだってプロ。 カメラの前ならちゃんと笑顔作れるもんね。 そーよ、あのカメラマンがライトだって想像すればいいんじゃん。
うっふん、ど〜お? ミサの悩殺ポーズ。
パシャッ パシャッ
ウゲッ。 カメラマンの顔、見なきゃ良かった……。 髭面オヤジだ。
ミサのライトはあんな熊みたいなヤツじゃないも〜ん。
「ミサミサ〜、おつかれ〜」 「マッツー、ミサ、もうくたくた〜」 「うんうん、今のもとっても良かったよー。ほら、座って」 「はぁ〜〜。ミサ、喉渇いたぁ〜、何か飲みたぁ〜い」 「はい。ジュースあるよ」 「それヤだ。う〜ん、ミサ、コーラ飲みたいな〜」 「え、コ、コーラは準備してないなぁ。でもミサミサ、炭酸飲まないんじゃなかったっけ?」 「たまには飲みたい時だってあるのっ。ほらぁ、早く買ってきてよー。次の撮影始まっちゃうじゃん」
「わ、わかった。急いで買ってくるから」
ニヤリ。 ふっふ〜ん、ミサ、いいこと考えちゃったんだもんね。 マッツーには悪い・け・ど。 うふふ、帰ってきた〜。
あんなに急いじゃって、カワイソー。
「みっミサミサっ。買ってきたよ、コーラ」 「サンキュー、マッツー」
「あっ! そんな急に開けたらっ! わっ!」
プシューッ
「きゃあっ」 「あーー、だから言ったのに」 「やー、コーラの泡でびしょびしょぉ」 「はっ早く着替えないと、ミサミサっ」 「もう、ヤダっ! ミサ、帰るっ」 「ええっ! そんなこと言わないで」 「だって、こんなんじゃお仕事する気になれないもん。帰る」 「頼むよ〜、ミサミサ〜」 「や・だ。べーっ」
「このとおりだからっ」
くすくす、マッツーったら、ミサ拝んじゃって本気で困ってるしっ。
これくらいで許してあげちゃおっかなー。
「んー、そーだなー。マッツーがそんなに頼むんなら…」 「機嫌直してくれる? ミサミサ」 「そーねー。じゃあ…」 「うんうん、何でも言うこと聞いてあげるから」 「うん、じゃあ、明日のオフ、ミサをライトのとこに連れてってくれるって約束して」 「え………」 「約束してくれなきゃ、ミサこのまま帰っちゃうもーん」 「そっそれだけは…。わかった、なんとかしてみるよ」 「ヤッター♪ 絶対だからね、マッツー」
「善処いたします……」
ふふっ、ミサって案外、策士? マッツーを利用しちゃったのは悪かったけど、これもライトに逢うためだもんね。 ミサはライトのために、がんばるのだ!
◎月*日 オフ(今日こそはライトとラブラブ!)
「やっほー、ライトー」 「ミサっ?」 「ミサさん、どうしてここに…?」 「おい、松田、どういうことだ? これは」
「あ、あのー、これにはいろいろとワケがありまして…」
あっらー、いきなりのミサの登場に皆さんビックリしちゃってるしぃ。 マッツー、怒られちゃってかわいそう。
あ、ミサのせいなんだっけ? えへへへ〜。
「ライトぉ、ミサ、寂しかったのー」 「ミサ、だからといって…」
「ライトはミサと逢えなくて寂しくないの?」
いくぞっ、とっておきのウルウル瞳。
「う、ミサ……」 「……仕方ないですね。ミサさん、くれぐれもライトくんの邪魔だけはしないでくださいね」 「やたっ! 竜崎さん、話わっかる〜」 「竜崎、いいのか?」 「いいも悪いも、このまま帰そうとしても、きっとミサさんが納得しないでしょう?」 「はいっ! そのとーりですっ」 「すみませんが、ライトくん。少しミサさんのお相手をしてあげてください」
「…………わかった」(はぁ)
むっ。 なに? ライト、その「はぁ」って。 ミサと一緒にいられるのが嬉しくないの? あ、いけないいけない。 まだ、ライトはミサが思っているほどは、ミサのこと好きになってくれてないんだった。 ん〜、でも、どうしてなんだろ? ミサってば、こ〜んなに可愛いのにさ。 普通、こんな可愛い子に好きだって言われたら、もっと喜ぶよねぇ。 マッツーだって、他の男の人だって。 ………竜崎さんは別だけど。 この人、ホント何考えてるのか、わかんないんだもん。 いつも変な姿勢してるし、顔色も悪いし。 それに比べて、ミサのライトはいつ見てもカッコイイなぁ。 今日もすっごくステキ。うっとり〜♪
パソコンの画面を真剣に見てる横顔も、男らしくて……。
「ねぇ、ライト。何見てるの?」 「ん? ああ、この数ヶ月分の新聞データから、記事をピックアップしてるんだ」
「へ、へぇ・・・」
そんなのの、どこがそんなに面白いんだろ…。
ミサ、ぜぇんぜん、わっかりませんっ。
「夜神くん、何か気になる記事がありましたか?」
ヤダー、竜崎さん、そんなに顔を近づけないで。
……ミサが二人の間に無理に座ってるから、しょーがないんだけどさ。
「いや、まだだ。そっちはどうだ? 竜崎」 「こちらも今のところ、それほど大きな変化はないですね。ただ……」 「何か気になることでもあったのか?」
「いえ、気になるというほどのことでもないんですが…。実はですね」
あーーー! もうーーー! うっとおしいったらー!
ミサの目の前で、顏突き付け合わせて話さないでよー!
「あれ?」 「どうした? ミサ?」
「あ、ううん、たいしたことじゃないの、全然。気にしないで」
って、ミサがつい洩らした声に反応されて焦ってるのに…。
「いいですよ、ミサさん。何か気づいたのなら、何でも言ってみてください」
なんて、竜崎さんが言うもんだからさ。
・・・ホントにたいしたことじゃないと思うんだけどなぁ。
「…ええっとね。ライトが集めてる記事ってね」 「うん」
「はい」
そ、そんなに睨まないで欲しいんですケド。
「ミサがキャンペーンに行ってる日が多いなぁって」

「…………! そうか!」
「なるほど、そういうことですか」
は? ナンデスカ?
「ミサがキャンペーンに行くのは、ほとんどが週末だったな?」
「う、うん。土日の方がお客さんいっぱい集まるから。でも……」
それがどーしたの?
「ライトくんが今集約しているのは、確か…」 「そう、ヨツバと少しでも関連のありそうな例の記事だ」 「どうやら糸口が見つかりそうですね」 「そうみたいだな」
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え?
そーなの?
「ミサさんのおかげですね」
えええ?
「本当だ。ミサ、偉いぞ」
ええええええぇぇぇ〜〜〜? ミサ、本当に? ライトの役に立ったの? ほんと? ホント? でも、ライトが…… ライトがっ、ミサを見て、すっごく優しく微笑ってくれてるし。 ああ、ミサ、もう死んでもいいかも・・・。 |
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……いいえっ! 前言撤回! もっと、もっと、ライトとラブラブになって、あーんなことやこーんなこともするまでは。
ミサは絶対に、死ねませんっ。
「じゃあ、あとはこれに方向性を加えて、照らし合わせてみよう」 「日にちが絞れたのなら、海外の情報も入れた方がいいかもしれません」
「ああ、そうだな。そうしよう」
えっとぉ・・・。
「あ、あのね、ライト」 「うん? ミサ、また何か?」 「ううん。 あの……ね、ミサ、今日はこれでおいとましようかなって…思って」 「ミサさん? 別に遠慮しなくてもいいんですよ?」 「ううん、いいの。今はミサが見つけたことを、もっと詳しく調べて欲しいから」 「そう……か」 「ミサ、ライトの役に立てたんだよね?」
「その通りですよ、ミサさん」
だからね、あなたには聞いてないんだってば。
「そうだ。ミサ、今日は本当にありがとう」
きゃ〜〜!! ライトにお礼言われちゃったぁ〜。 ミサ、ミサ、感激〜♪
今度はマジでうるうるしちゃう。
「じゃ、じゃあ、がんばってね、ライト。…………竜崎さんも」 「はい、ありがとうございます」
「ああ、じゃあミサ、また」
・・・また、だって。 また、だって。また、だって〜♪ ライトから、また逢おうって誘ってくれたなんて、もしかしたら初めてかもしんない…。 ああ、ミサ、嬉しすぎて倒れちゃうかも。 ミサが離れると、すぐにまたライトと竜崎さんは顔突き合せて話しこんじゃったけど。 でも、今日だけはミサ許しちゃう。 今夜はいい夢が見られそうだし〜。 ライトの優しい笑顔と声を思い出しながらねっ。 そして、また明日からの「ミサとライトのラブラブ大作戦」の活力にするのダ! ミサ、これからもがんばりま〜っす♪
<ミサのライトメモ> とりあえずは、ここまで、っとv
Novel by テオ Illustration by はらみ様
2005.1.15〜2005.3.31 《 Novel & Illustration collaboration 》 -ノベイラコラボ- 初出
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○あとがき○
ノベイラコラボイベントにサンプルとして展示した作品です。
はらみさんとコラボさせていただきました
また、はらみさんのイラストが原画そのもの……いや、むしろこっちのが綺麗かも(⌒〜⌒)ってくらい素敵で・・・ほぅっv
ギャグ仕様のイラストも、これまたとってもはらみさんらしくて笑えます。( ̄ー ̄)ニヤリ
はっちゃけてるけど、どうにも憎めないキャラのミサ。いかがだったでしょうか?
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