|
今朝は、雨雲がのさばっていたここ数日とはうって変わって、最高のお天気。日中も晴れとの予報だ。当たり前だよ、お日様みたいな君が晴れ姿を迎えるこの日だもんね。 「アービンも主役やろ〜!」 とかって、突っ込まれそうだけど、結婚式における花婿の価値なんて、ないに等しいと思うんだよねぇ。花嫁の隣にいなきゃいけない必須の存在だけど、注目はされやしない。花嫁のオプション、おまけのようなものさ。 勿論、それでいいんだ。 君とこれからを生きていける、“添い遂げる”ってやつが出来る。 所有物なんて滅相もないこと考えてはない、けど、「君は僕のもの」と、言っても許される(言ってみたかった!)。 僕の取り分はこんなにも沢山あるんだから。 昔も今も君の傍にいて、たった一つだけ不満なことがあった。 「覚えてへんわ〜。やっぱG.F.(ガーディアンフォース)の影響かも!」 なんてあっさりかわされそうだから内緒にしておくけど、あの孤児院にいた時のことなんだ。走り回ってばかりの君も、ほんの時たま気まぐれにおままごとで遊ぶことがあった。 まませんせいのエプロンを引きずる“お母さん”のセフィ。可愛かったな。 それでね。僕さぁ、“お父さん”になったことが一度もないの。これ、本当。 “お父さん”は仕事に出なきゃならない、ずっと“お母さん”の隣にはいられない。僕は自分にそう言い聞かせて、いつもの長男役“ぼくちゃん”に甘んじていた。 でも、外で遊ぶ前にしぶしぶ「行ってきます」とセフィに言わされて、走っていくスコールやゼルやサイファーが(男の僕を差し置いて、キスティがなった時も二〜三回あったなぁ、あ〜、泣ける話……)とってもうらやましかった。“赤ちゃん”の人形を握りつぶしてしまいそうになっちゃった位。 でも、もういいんだ。 ごっこではなく、君の旦那になれるんだから。実際の一度きりで構わない、なんてね。本気で思ってるよ、うん。 輝く君を迎えに、ふさわしい格好に着替える。 衣装の堅苦しさは気概を促す――幸せにするぞって。 一人進むと二人で歩ける未来を夢に見る――幸せになろうって。 花嫁控室と貼り紙のある扉に、僕はたどり着いた。 さあ、君の笑顔を受け止めさせてね。君を包み込む唯一の居場所に、僕はなりたい、なってみせるから。 こんこん。 「どうぞ〜」 かちゃり。 まさしく太陽をいだく空の青さにたとえられる、僕のマリッジ・ブルー。 Copyright (c) 2002 にじます
■あとがき■ |